アップル好きのアラフォーの資格試験勉強ブログ

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LACの報酬計算についてもうひと言

昨日、LACは途中で報酬計算の基準の変更ができないという話をしました。
ykishimoto.hatenablog.com

 

これに対し、LAC基準の着手金・報酬金形式は旧日弁連報酬基準を踏襲しているのだから、安いというのはおかしい、という意見もあります。

しかし、旧日弁連報酬基準には、重大な欠陥があります。

それは、最低報酬額の定めがないということです。

最低報酬額の定めがない場合、例えば物損事故だけの事件で回収額が10万円にしかならなかった場合、その報酬は16,000円になります。どれだけ手間と時間をかけて解決しても16,000円です。

だからといって、タイムチャージで受けたとしても、時間をかけずに解決してしまうと、やっぱり雀の涙ほどの報酬になってしまいます。

 

そうすると、LAC事案で訴額の安い事件の依頼を受けた場合、タイムチャージで受けて、ダラダラダラダラ時間をかけて満額の60万円を取る、というのが(経済学でいう)利潤の最大化行動ということになります。

で、そんな事件処理をして、依頼者のためになるのでしょうか?

訴額の安い事件であるからこそ、弁護士に依頼して、さっさと解決してほしい、というのが依頼者側の思いであるはずです。依頼者の思いを無視した事件処理ができてしまう業界は、いずれモラルハザードを起こします。(もう起こってる?)

 

 

そんな状況だから、死亡事案か、既に後遺障害が認定されている(しかも重傷の)事案しか受けない事務所があるのも、ある意味でやむを得ないことかもしれません。

この事務所は、「君子LAC(の儲からない事案)には近寄らず」を実践しているわけですね。