前回に引き続き
2次試験の戦略編です。
私は財務会計の知識がないにもかかわらず、資格のおかげで1次試験の財務会計を科目免除していました。
本来であれば財務会計で足切りを食らっていてもおかしくなかったわけです。
そうすると、事例Ⅳに関しては合格点ギリギリを目指して、他の事例で点数を稼ぐ、という選択肢もありました。
しかし、私は、あえて事例Ⅳを徹底的に強化して合格しようと考えました。
それは、以下のような理由からです。
1 勉強すればすぐに効果が出るから
2次試験は解答が公表されないため、毎年、資格学校の模範解答は割れています。
そのため、事例Ⅰ~Ⅲは、努力と得点が比例しにくい科目といえます。
しかし、事例Ⅳは計算問題が中心です。事例Ⅳに関して言えば、資格学校の模範解答もあまり割れていません。
明確な答えがあるので、演習をすればするほど、計算力を鍛えれば鍛えるほど、実力が伸びることを実感できますし、実際に伸びます。傾向と対策を練れば、確実に得点できるということです。
つまり、事例Ⅳは、努力と得点が比例する科目です。
少ない時間を投資するには、事例Ⅰ~Ⅲに比べて、事例Ⅳに投資する方が効率がよいのです。
2 自分が得意であれば相対的に有利になるから
診断士の受験生は、会計士・税理士・簿記1級ホルダーのような一部の受験生を除き、計算問題が苦手な人が多いようです。私も苦手です。
そうすると、相対評価の2次試験では、事例Ⅳが得意だと他の受験生に大きく差を付けることができます。
3 事例Ⅳが得意になっていれば本試験での気持ちの余裕が違うから
事例Ⅳは、本試験では最後の科目です。
当日は、みんな、事例Ⅰ~Ⅲを解いた後でへとへとになっています。疲れた頭で計算問題をやらされるので、つまらないミスが頻発します。
私も、平成29年度の事例Ⅳ、キャッシュフローの計算で除却損を入れ忘れ、見事に違う数字になってしまいました。(それでも72点だったので、よっぽど難しかったんでしょうね)
事例Ⅳが得意だと、最後で挽回できるという気持ちがあるため、事例Ⅰ~Ⅲで無理に高得点を狙う必要がありません。そのため、思いつきで変な方向性の解答を書いてしまうという「2次試験あるある」をやらかすリスクが減ります。
野球に例えれば、最後をクローザーが抑えてくれる、という安心感です。
また、おまけ的な理由としては、
1 財務会計は診断士になっても避けて通ることができないので、この機会に集中的に勉強したかったから
2 事例Ⅰ~Ⅲについては、国語力さえあれば何とかなりそうだったから
というのもあります。
と言うわけで、私の戦略は、事例ⅠからⅢについては55点を狙って大きく失点しないように(少なくとも50点を割ることのないように)得点し、事例Ⅳでは満点を狙うつもりで80点くらい取れればいいかなという方針でいくことになりました。
結果的に、2次試験の点数は、順に54、58、63、72だったので、うまく得点戦略どおりハマったわけです。
次回以降、具体的な勉強方法に入っていきます。