法テラスの報酬基準は、旧日弁連報酬基準よりも安いという意味で相対的に安いですし、法テラス案件では赤字になるという意味で絶対的に安いです。
おそらく、法テラスよりも安い基準の弁護士費用を設定している法律事務所は、日本中のどこを探しても、ないと思います。(あるよ!という方、教えてください。)
サービスの値段って?
モノ(食品や、家電製品など)を買うときは、安いところを探して買うという人は多いと思いますが、法律事務はサービスです。サービスは、安ければよい、というものではありません。
私のイメージでは、美容院に近いと思っています。自分で髪を切ることもできるが、プロにやってもらった方が見栄えよく早くできる、ということからです。
法テラスの報酬基準と要求されるサービス水準を美容院に例えれば、「カット・シャンプー・顔そりとヘッドスパくらいまでつけて、料金は1000円ね。」と言われているようなものです。
当事務所が法テラスと契約している理由
経済的に困っている人の権利救済のためです。
特に、債務整理事案では、自己破産のための費用すら用意できないという人が少なくないため、法テラスを使って受任する意味はあると思います。
しかし、美容院でも、フルサービスを1000円で提供することはできないのと同じように、いち民間企業の当事務所が貢献できることには限界があります。
こんなことがありました
示談交渉(加害者側)で法テラスを使って受任し、被害者と示談交渉をしました。
しかし、途中から被害者側と全く連絡がつかなくなったので、法テラスに報告して終結決定をもらいました。
その後、被害者から連絡が来たので、再度交渉して、示談成立。示談書を添えて法テラスに報告すると、終結決定後なので何もできませんと。依頼者と協議して報酬をもらってくださいとのこと。
先に終結決定をもらった意味がなかったですね。
当事務所の方針
法テラスを使った受任は、債務整理事案(任意整理・自己破産)を除き、控えていくことにします。
債務整理事案は、経済的に困っている人が前提になっており、救済の必要性・緊急性が高い事案が多いため、これまでどおり制限なく受任します。
ただし、今後、法テラス契約を解除する可能性もあるため、その場合は、別途お知らせします。